だじゃれバリバリ 柿本人麻呂(万葉集・二三五)



カテゴリに「歌人」を作りました。最初からそうしておけよ。そうしたらオーケーよ。というダジャレですよ。ダジャレとエロジョークで日本史はできています。それが姐さんの持論です。
なんでかというと、世界を「見立て」で敷衍していき世界解釈をするのが得意でウマイのが日本人です。
皆さんの暮らしの中にもたとえば古代中国、春秋戦国時代に一応の完成を見たとされる陰陽五行の考え方が、いまだに根強く残っています。
河童はなぜ川に馬を引き込むのか。なぜお正月に鏡餅を供えるのか。世界を陰陽に分けて数字で解釈していく易と、世界の事物を五個のテーブルに配置して関連性で見ていく五行、植物の生育史からきた十干十二支などなど、古代の中国人の世界解釈は「大自然を観察して導き出したがゆえに自然である」不自然さがきわめて少ないものでした。
不自然さがないゆえに正しさが多いです。
長い人体実験の結果でもありますしね。

自然の事物を見ていく中で、当然、もっとも多用される人間の重要なツールである言葉もさまざまに「配置」されていきます。ダジャレは言語の論理階梯をすっとばし、驚きと笑いと意外な発見をもたらすがゆえに「超大事」と思います。
驚きと笑いと意外な発見がないものを「おやぢギャグ」といってさげすみます。
おやぢギャグの問題点は「それが使い古されている」ことにある。
発するおやぢ自身からもたらされた経験値や人生訓ではなくして誰か他人が作った手垢がついた「残りカス」であるから困るのです。
いきいきと新鮮な、そのときその場で開花する「その人の実在からもたらされる新たな知見の発露」であるような生きたダジャレ、生きた「しょーもない言葉遊び」を姐さんは強くひたむきに希求するものであります。

まあセミナーなどで自分だけ楽しいだだ滑りのゴミみてぇなギャグを連発して参加者を震撼せしめているわけですが。
「この人の言うことってもしかして全部おかしいんじゃないの」と人を正気にかえす瞬間ですね。実に楽しい。

さて、この記事ではみんな大好き柿本人麻呂さんですよ。
霊元天皇も「神」として宮中で崇めておられた。歌聖といわれた定家と同じく「神」扱いです。自ら親しく香炉をくゆらせ、花を手向け、和歌をどしどし捧げていた。霊元さん、京極黄門こと藤原定家が好きすぎていろんなエピソードを残されています。
冷泉家では「黄門」といえば「当然、うちの先祖の定家卿」ということだそうで諸国漫遊のあのお方なんぞではないらしい。
ちなみに黄門というのは「中納言の唐名(中国ふうの言い方)」です。中納言まで出世したので黄門さんです。
「最終官位は正二位権中納言」だそうでして、正二位はスゴイですけど、ごんのちゅうなごん、はまあお飾りですね。実際に政務を執ったわけではないはずです。
この、朝廷からくだされる官位官職も面白くて、官位は正・従に外に権に贈にと細分化されていて見れば「ああ、買ったのね」とわかる、とか、なんとも実にイヤったらしいというか「政治ってコワーイ☆」というような驚きと発見と戦慄に満ちていますよね。
政治なんてよほどヒマでないとできないなあと思います。すごく大変だから。
(政治家の皆さんごめんなさい。それに携わるとそれしかできないくらい、おそらく忙しいので大変ですよねという意味です。国家をさぼって地方にデモに行ったりとかまともな政治家ならできないですよね____)

定家、というのも諱なので本当は軽々しく言ってはいけないのでしょうが、その子孫が「ていかさん」とおっしゃっているのでそれにならいます。明静とか京極黄門とか京極殿とか京極中納言と言われてもわからない姐さんを許してwww
ほんとに知的レベルが落ちまくりだよ。学習機会を奪われまくりだよ。頭にくるので独学で取り返したい姐さんです。
でもせいぜいが四書五経の素読前提、の明治の知識人の書いたものを見て「わからねええええ」「読めねええええ」「ルビつきありがとおおおおお」「辞書にのってねえ字を使われましてもおおお」と騒ぐくらいが関の山です。悲しすぎるwwww

ところで定家のWikipediaを今見たら仕えた「主君」一覧が「二条天皇 → 六条天皇 → 高倉天皇 → 安徳天皇 → 後鳥羽天皇 → 土御門天皇 → 順徳天皇 → 仲恭天皇 → 後堀河天皇 → 四条天皇」になっていてワロタのwwwたくさんいる!まあ八十歳まで存命な現役ばりばりな方でしたからね。

それはともかく人麻呂さんのほうですが、万葉集にあるこの歌。以前、何度かセミナーで「ダジャレの例」としてお話しました。

大君は神にしませば天雲の雷の上に蘆らせるかも(万葉集二三五)
(おおきみは かみに しませば あまぐもの いかづちの うえに いほらせるかも)

ダジャレです。

タケシの「ザヤックです」くらいのきっぱりさ加減でダジャレです。「ジャンプの飛び過ぎです」のあの冷たさよwwwww素敵!wwww

雷岡(かみおか)という地名の場所に天皇の仮小屋があったのを面白く表現したものです。
これ、どういうことかといいますと、地名の雷岡(かみおか)を空で鳴る雷(かみなり)にかけて、その上(かみ)で鳴る恐ろしい雷の岳の、その上(かみ)にいらっしゃる天子様はまことに上(かみ=神様)であることよ、という意味です。

上と雷と神という三つの「かみ」をかけあわせている歌です。

「神(かみ)は上(かみ)にまおすもの」つまり神様は上のほうにいらっしゃるものですよ、という観念が前提です。
「カミ」というのは上にあるもの。だから省の卿(かみ)、寮の頭(かみ)、司の正(かみ)、衛府(えぶ)の督(かみ)などをはじめ、国主、郡領、村長、駅長など、人の上に立つものはみんな「カミ」です。
頭、上、髪、神など、上代の甲乙類に分けられて発音に違いがあるから違うカミとされていたものも、近年の研究ではそんなに厳密な区別でもなかったんじゃね?とか同じモノだからこそ発音を変えて分けていたんじゃね?などと言われだしているように、日本人は大事なものはみんな「カミ」です。

天皇陛下のことも「おかみ」です。女房のことを「おかみさん」というのは「家で一番えらいのは嫁さん」というこ…ごほんごほん。

そして古来もっとも神聖視されていた蛇のことも古語では「おかみ」と言いました。これは『豊後国風土記』に出てきます。おかみは二字で表現されていて蛇、に続く文字がパソコンでは出せないので説明しますが雨のしたに口が二個横並びで、そのしたに龍と書きます。

日本ではえらいものはみんな「かみ」。

そういう前提で、かけ言葉でカミカミいってますよこの歌は。

大君は神にしませば天雲の雷の上に蘆らせるかも(万葉集二三五)
(おおきみは かみに しませば あまぐもの いかづちの うえに いほらせるかも)

わが君(おかみ)はなんとも尊い神(かみ)様なので、あの雨や風や雷(かみ)を落とす雨雲のさらにその上にいらっしゃるのだよ、だってほら、「かみおか」という名前の場所に庵を結んで滞在なさっていらっしゃるじゃないか


ダジャレだよ!

歌はみんなで声に出して和するものですから、これを最初に聞いたときは全員で大笑いして、やんやの喝さいの後、「大君は~☆」と口々に楽しく詠唱しただろうと思います。実に楽しい。

冷泉家の皆さんによりますと、和歌は声に出して楽しむもの、そして「みんなで共有するもの」だそうです。
自分の個人的な感情だけに終始するのは下の下であって、あまりよろしくはない。
やはり神様の神威発動を祝ったり、仏様の大威徳や大慈悲を願ったり、大君である天皇、「天子様」の世が末永いことを祈ったり、めでたく明るく「参加する場」が活き活きと活性化されるような素敵な内容のものをつくり、そしてみんなで歌い上げて共有する。

参加する場で賛歌をものす。それが歌の道であると。

和することができる歌、一緒に参加して音読して楽しめるものが和歌であると。
だからいい歌は一発で覚えられる。すらすらと口に出して繰り返し味わうことが可能です。

人麻呂の歌はいい歌が多い。誰でも二、三はすらすらと言えるでしょう。けだし歌聖とよばれるゆえんでしょう。
そしてこんなふうに気軽に楽しめる歌もちゃんと残している。

それをわたしたちは「国語」で、日常使っている言葉の語彙の範囲の中で、ちゃんと味わうことができる。

宮中で何かあれば列席して場を盛り上げるお役目です。おかみが御幸あそばされるときにはついていって盛り上げる。
いい役目です。怖い役目です。誰にでもできたわけではない。
そのとき、その場で、「その感興」をぴたっとくる言い回しで即興で言い表さなければならない。

環境と感興の混合品、それが和歌です。

人麻呂は「斉明天皇6年(660年)頃 - 神亀元年(724年)3月18日)は、飛鳥時代の歌人」だそうですよ。
今年は2017年です。そこから660年引いてください、こんなにも前のオッサンの歌を、われわれは素直に共有できる。
口ずさんで微笑める。
すごくないですか?
驚きです。

日本語っていいなあ、と心から思うゆえんでございます。

すごいなあと思うから、下手なのは当然で、なにひとつよくわかっていないけど、和歌を作るのが好きなんです。
もしかしたらそのうち、誰もがふっと口ずさめるいいお歌ができるかもしれない。
詠み人知らずで残すことができるのかもしれない。
そんな楽しい夢想を今は大事にしています。

ダジャレ路線でなら意外といい線いくかもだしな!wwwww

「こんな楽しみ方もあります!」という記事でした。






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歌人の歌 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/05/26 19:29
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