おすすめの本;ビールが世界を救う? 『モーフィー時計の午前零時』



追記)

切腹して詫びないといけない大惨事です。
「うわ~、ダンセイニ卿、すっげえの書いてたんだな~☆」とうかれてましたが、思いっきり間違いでした。なんでこういう錯誤に至ったのかわかりませんが、ロジャー・ゼラズニィの作品でした。そりゃーこれまで読んだことねーだろうよ、だってダンセイニの作品じゃないんだもん!荒俣先生と手を取り合ってダンセイニについて語り明かせません!開幕2秒で「はぁ?」と言われます。しおしお。
ああ!姐さんもう一生書評できない。。。書評じゃなくて感想だよ!といいわけすらできないありさまww
ほんとにすみませんでした。でも、いい本なんですよ。それは変わらないです!!



フィギュアスケートとは直接は関係ないのですが・・・通奏低音のように相通じるものはある本だと思います。
1篇だけノンフィクションが含まれていて、それはチェスのプロ大会を初めて開催したふたりのプレイヤーの記録なのですが、利潤の追求やテレビ放映の導入など、まるでフィギュアスケートの世界の裏舞台のようで非常に面白かったです。

モーフィー時計の午前零時

タイトルが!何の本だかわかりにくい!
モーフィアスならマトリックスですがってもっとわかりにくいww
カバーを見ればチェス「らしい」!紅白チェックのテーブルクロス!イタリアンの店か!なぜ曲解!www
でも!
出版社が「あの」国書刊行会なのに値段が安い!(おいwww)
一生の再読に耐えうる素晴らしい内容でこのお値段!
帯に将棋の羽生名人がコメントを寄せている!

もうね、どんだけでも騒ぎたいのですが、いい本です。

姐さんはミステリーがSFと同じくらい好きでして、本なしではいられない本の虫なわけですが、ジャック・リッチーの小説が収録されているという理由で今回初めてこの本を手に取って、おお!なんと面白い!おお!すんげえ面白い!とひとりで騒然となりました。
「チェス小説」というカテゴリーを自ら銘打ったこの本にはゼラズニィの一遍も含まれており、冒頭は案の定で大爆笑しましたが、最初の1ページ、いや、2ページを我慢してください世間の皆さん!そうしたらもう、めっちゃくちゃに面白くてスリリングで、すっとぼけていて大笑いできて、ホロリとしながらウットリできて、そして「俺たち地球一家!」と力強く生き抜く気力がもりもり沸いてくるでしょう。

何を騒いでいるかというとゼラズニィの「プロブレム」という小説にやられたんです。
チェスにはめっぽう腕があるのに、プレッシャーに弱すぎて大した戦績を残せなかった青年が主人公。とはいえチェスの世界大会の予選にまでは出ています。最初の20分間だけは世界を支配できていた、という描写が切ない・・・。
この、頭が良いけど度胸がないコが、「人類滅亡」の絶体絶命の危機を賭けて異種族である相手とチェスの勝負をする。その対戦相手がユニコーンというぶっとび小説。
ユニコーンなんていませんよ、ファンタジーやメルヘンじゃないんですからと言いたくもなるような設定ですが、導入部から実に自然で、いやほら最初の2ページは我慢しておくんなせぇ、ここはアレですよアレ、ファンタジーの常套手段でごぜぇやす、といいわけしながら、もうたまらない「見事さ」です。
翻訳も俺たちの若島正さん!!!!うっひょおおおお!!!
姐さんのオールタイム・ベストに入っているシオドア・スタージョンの『海を失った男 』の翻訳者様でもあらせられます。会話の妙、おとぼけの滋味、を完璧に再現なさっている。いや英語はできませんけど、たぶんそうですwwwうまいww



主人公の青年が飲んでいた「6本パックの缶ビール」が世界を救うとはwww

いやほんとにいい小説です。

さまざまな「地球内生命体」が寄り集まってお互いの特性を発揮しながら共存共栄していく姿、なんだかもう感動で胸がいっぱいになりました。映画化してもらいたい~!!!ハリウッドで映画化すると、おそらくここに人間側の卑劣な裏切り行為や、おそるべきカーチェイス、銀行たてこもりの銃撃戦、大統領暗殺計画、美麗きわまりない森の妖精の美女軍団との悲しいロマンス、下半身が魚の美女と上半身が魚の美女、のどっちを選んでも生臭い姉妹とか(いねーよwwww)、名状しがたき這い寄る混沌(それはヤバイ)とかまあいろいろ追加されるんでしょうけど(脚本家さんがんばって!w)、実写でぜひ見てみたいですねー。その場合のグリフィスはキョロちゃんでいいと思いますwwwくえっくえっチョコボール~♪のアレでwwww
グリフィンかわいいよグリフィンwww
ビールビール!と騒いで飲んだあと、いきなり爆睡。数えてみました。初ビール3本で眠っていますwwかわええw
ビール3本で酔っぱらうのに何でも知ってるちっさいグリフィン。仲間を連れておしかけてきちゃうグリフィンwwwwああ家にいてほしいww

指輪物語ばりの一大叙事詩にしてほしい。すっごく面白かったから。

チェスのような「ゲーム」、人間が作り、人間がプレイする、人間が定めた遊びなのに、時としてそこに「永遠」が現れる。この世ものならざる何かが降臨する。顕現する。この奇跡は、時に人の営為のすべてのジャンルで不意に屹立することがある「永遠」とつながっているのでしょうか。

不思議なものです、人知を超えた何かが「現れる」ことがチェスの世界にも「ある」ということ。
そしてそれはわたしたちがフィギュアスケートを見るときに、ひとりの選手の渾身の演技を通してじかに「永遠」に触れることに恵まれて、許されて、立ち会わせてもらうことで、「永遠」の一部になる経験と、おそらくは同じことなのでしょう。

羽生名人はいくら将棋を極めても極めても、極め尽くしたとは言わないでしょう。「将棋の神様と勝負するなら」に「角落ちでなら」と答えたことがある羽生名人。角落ちでなら勝てるというのか!すげえ!勝つかもしらん。本当に、将棋が好きで面白くてたまらないんだろうなと思います。強い若手が出てくると嬉々としてやったるでーと思うだろうすごい人。
チェスでもめちゃくちゃに強くてとんでもないことをなさったりもしていますが、羽生名人の脳内の描写さながらの迫真の活写が表題にもなっているフリッツ・ライバーの小説にあります。
「人間」の持つ多様性、時に異様なまでに何かに突出した才能を示すこの「頭脳」、そしてそれをもちこたえるだけの「強さ」を持たず、発狂や自殺や発病の危機と背中あわせにぎりぎりのところで「世界最高」をめざす「人間」たちの姿。

姐さんのような凡人にはうかがい知ることができない「世界のてっぺん」の人たちの姿を、秀逸きわまりないこれらの小説群であらたに知ることができました。チェスってすげえな。

してみると、あれだけの才能を持ちながら人柄もイイ、真央ちゃんや羽生名人はずば抜けた天才中の天才なのでしょうね。天が四十物くらい与えちゃったひとにぎりの「最高」の人たち。

いけどった敵の兵士をあらたに味方として活用できるから紳士的だ、と将棋のことを評した方がいたそうですね。また、チェスは女性(女王)を盾にして逃げ惑う惰弱なゲームだ、とも。
だとしても、やはりひとつの道を極めるということは、とんでもないことでありましょうし、翻訳者の解説になる「これまでのチェスプレイヤーのすごい人一覧」がまたとんでもなくぶっとんでいるのが怖いもの見たさで見たにしてもほどがあるだろwwwwと言いたくなる「ぎゃーー!君もか!君もまたそうなのか!」と圧倒させられる履歴の数々でございます。すげえすげえ。

いや~、いい本でした。姐さん今年のクリスマスプレゼントはこれにしようかな。多感な中学生とかにもぜひ読んでもらいたいですよ。
アンソロジーの出来栄えって選者の腕に一任されますから、これはもう圧倒的勝利なんじゃないですかね。チェスのこと1ミリも知らない姐さんでも大興奮して読めましたから。

よかったです。

余談ですがSFといえば自分の中では真っ先にシオドア・スタージョン、ジェームズ・ティプトリー・ジュニアという抒情的かつ戦闘的な作家がきて、そしてグレッグ・イーガンがここに入ってくる謎ww姐さんの中ではあからさまな抒情派です、イーガンは。たいがい女々しいですよね。主役の男に「えっそこで引くの!?」と何度驚かされたことか。イーガンは「現状を変えたくない人」なんだろうなあと思います。最近はもっぱら数学に熱中なさっているようですが難問の出題をして人を驚かせるのは大好きでも自分が驚かされるのはイヤなんだろうなあ、とか思います。好きだけど、文句を言いながら読んでいるw
楽しいですよ、小説の世界を旅するのは。

秋の夜長におすすめです。
グリフィンのラエル=キョロちゃん、をイメージしながらぜひ御一読ください。楽しめます!




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日本人として生きるということ | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/10/07 19:55
コメント
なぜですか
なぜですか。
こうなることが、誰の目にもあ
きらかだったのに。
なぜこうなることを許したのですか。私には、理解できません。

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