マリーさんとこがなぜ好きか






コメントでマリーさんとこが結ばれた経緯を知りたいというリクエストをいただいたので書いておくわね。

と言ってもあたしマリーさんから恋愛相談を受けてたわけじゃないから(当たり前よね!)外から見ていての情報しかないんだけど。




カナダのマリー=フランス・デュブレイユ&パトリス・ローゾンのカップルは、もともと実生活ではパートナーではなかったの。あくまでも競技上でのパートナーね。

マリーさんはご両親の仲がちょっとアレだったこともあり、男女間での信頼関係についてダメージを負わされて、自分は一生ひとりでいい、結婚なんかしたくない、とあれだけの美女にして恋愛を自ら遠ざけて暮らしていたのよ。

でもあんなにセクシーで姉貴な感じでかっこいいんだから群がる男を蹴散らすのに大変だったと思うわ~。
ゴージャスなのにちょっとだけ影があって、とにかく雰囲気がアダルトなの。

強気なのに不意に子供の顔で笑ってみせたり、姉御肌かと思えば寂しげに目を伏せる。

ほっそりしていて、強靭で、だけど細い首筋に長い黒髪が乱れてかかってんもう、こんないい女を放っておけるか!って勢いでまわりは大変だったんじゃないかしら。ゴシップくさい書き方でごめんなさいね。事実誤認があったらお詫びするけど、きっとそうよ。



それで、アイスダンスのパートナーになったパトリス・ローゾンがくどいてくどいて、って言っても姐さんの気持ちに沿うようにずっと傍らで待ち続けて、少しずつ信頼関係を作っていって、やっとやっと結ばれて。

いい男よ。姐さんのことをいつでも一番に考えてくれてるわ。外から見ててもそれがわかるわ。



あたしアイスダンスの組のことを女性の名前をとって「だれだれさんのとこ」って言うのが癖だったから、ここでもマリーさんのとこ、と書かせてもらうわね。

マリー姐さんの音感の鋭さとそれを体で表現する能力の凄さときたら、とんでもないレベルにあったとあたしは思う。現役時代も、引退してからも、ショーで見る姐さんはむしろ群舞なんかの時にひときわ輝きを放っていたわ。
ちょっとした身ごなしやリズム感が全然違うの。
あんなにエレガントで気品漂う姐さんなのに、へそなんか出しちゃって、主催者側、つかそのショーの振付師が指示させて用意したパンツルックとかミニスカート、時にはチアガールとかの格好で踊り狂うの。

アイスショーでリンクにいるのは全員が「踊る」ことを専門にしている人たちで、それなりうまいはずなんだけど、マリーさんはとにかく圧倒的にうまかった。

あたし今まであんなに「踊れる」人は見たことないわ。見識不足なのかもしれないけど、マリーさんはどんなジャンルの曲でもばっちり合わせてて、しかも音に対する反応がすごく速いの。

細くて折れそうな繊細な体で、次の音を人よりほんのわずか先取りして、瞬時に身体運動にしてしかも美しく見せる。

作家の橋本治が「俳優とは、頭の良さを体で表現できる人のこと」って書いてたけど、マリーさんはそういう意味ではすっごく頭の良い女優だったと思う。

もしスケートの神様が願い事を三つかなえてくれるのなら、あたしはマリー姐さんとミラーボールが回ってるようなレトロなディスコに遊びに行って、オールディーズをかけて貰って向かい合わせに並んで立って、一緒に踊り狂いたいわ。朝まで笑って踊りたいわ。




マリーさんがパートナーと手をつなぎ、氷の上でにっこり笑って滑りだすと、世界には何にも心配なことなんて存在しない、愉悦と喜悦とダンスだけがこの世のすべてなんだ、と思えたの。




夢を見せてくれたのよ。




マリーさんが長らくのアプローチを受け入れて愛し合う二人に変わってからは、ダンスの質はより深化していって、どのようなプログラムからも「愛」があふれ出るようになっていった。

小粋に、時に奔放さすら漂わせて、スリムでセクシーな美女のマリーさんが華麗に踊り、エレガントさを忘れない気品あるその姿をローゾンががっちり支え、見交わす目と目の視線の熱さにリンクが溶けそうになっていた。

あんなにラヴ!な二人なのに、その「愛」の範囲に見ている者を誘って、一緒に幸せにしてくれるの。

愛は戦いだし閉鎖的だし肉欲や嫉妬や情欲や、いろんなどろどろを含むけど、姐さんとこは「愛」のそれらを土台に据えて、もっともっと大きく豊かで広がりのある「愛」を見せてくれた。


マリーさんの身振りひとつで世界はメリーゴーランドに変わり、みるみるうちに色づいて思わず笑いだしてしまう。そして体が動き出す。ぶざまでも、へたっぴでも、一緒に踊りたくなってしまう。



本当に美しかったの。



アイスダンスは不思議なスポーツよね。ワルツ、ルンバ、タンゴ、その他いろんなジャンルの曲を課題にして「氷の上で」わざわざ華麗に踊って見せる。

社交ダンスだけだって一通り身に着けるには長い修練の時間が必要だし、世界で通用するためには、生まれついての容姿やセンスや経済的な力も必要。

狭い社会だし縦割りの派閥社会でもあるから、表向きの華麗さとは違って生のドロドロがほんとに多い。どこもそんなものかもしれないけれど、輝きが強すぎるから裏の黒さが目立つのかもね。

でもダンスはとても楽しいし、磨き上げた確かな技術の上に構築される「美」の世界を楽しむにはほんとにいいスポーツよね。

わざわざ氷の上で滑りながら舞う意味を、マリーさんとこはほんとに上質な世界に昇華させてずっと見せ続けてきてくれた。

好きにならずにいられないわ。

衣装のセンスもよくってね。マリーさんならどんな分野でも絶対成功したと思う。ローゾンはそんな姐さんを愛して支え抜き、ふたりは幸せに暮らすのよ。




昔のアイスダンスは良かったわ。怖いリフトもなかったし、ふたりの同調性、ユニゾンが重視されてて、スケートのうまさを数値化してきちんと評価していたわ。

勿論年功序列なところはすごくあったし、一度格付けされちゃうとなかなか覆せなかった。だけど「同じ曲で滑る」「決められた振り付けを繰り返す」という本当の相対評価が実施演技にあったから、優劣は誰の目にも明らかだったし、すごい人は本当にすごかった。



時代は移り、アイスダンスもどんどん変化していって、今はペアの変形であるかのようにスポーティでエネルギッシュな演目に変わりつつあるけど、アイスダンスの本質は(実生活ではふたりの関係がどうあれ、よ)「愛し合う男女ふたりの信頼と愛情」を美しく表現するものだと思うわ。


日常生活では見られない、決して見ることが許されていない、永遠の愛の形、まるでタンチョウヅルの求愛ダンスとか、多くは惨めな現実しか知ることのないあたしたちに、完成された自然現象のひとつであるかのように、あるがままで、それが華麗に豪華に美しく、<永遠>の存在すら垣間見させる、「美」の表現の最高峰のひとつだった。


理想の愛の表現形。


だから胸を打たれるし、だから焦がれてしまうんだと思う。



アイスダンスがあたしは好きよ。たぶんずっと好きだと思う。





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アイスダンス | コメント(8) | トラックバック(0) | 2013/10/09 20:31
コメント
No title
姐さん、こんばんは。
毎日楽しく読ませていただいております。ありがとうございます(^^)

私も昔のアイスダンスが大好きです。コンパルソリーが一番好きだったので、無くなってしまってつまらないです。
同じルーティンを滑った方が、個性の違いがはっきりして面白かったです。

今は、派手だけれど、しっとりじんわり魅せてくれるダンスではないので、少し気持ちが遠のいています。。。
昔は良かった
今晩は。おじゃまします。
本当にねぇ。姐さんのおっしゃる通りだと私も思います。
きっかけはトービル&ディーンあたり?
どんどんアクロバティックになっちゃって、今や華奢な女性の身体なのに腕には筋トレの賜物のちからコブが見えてしまって、まあ、今 勝つためには必要なのだろうけど、実際にこの目でモリッとなったところを見てしまうとなんだか複雑です。
コンパルソリーも懐かしや。
シングルも含めてもし今の現役選手で行ったらどうなんだろう!?

効率良く勝者を決めてガッツリ儲けたいエライ人々がやってくれるはずもありませんが、諸々がヨレヨレの1-1-1さんとか2-2-2さんなんかはそこで敗退ーなんてことになったらどんなに溜飲が下がることでしょう!!

コンパルソリー復活&真央ちゃんがダンスに転向なんてどうでしょうね。ご本人もチラッと言ってましたし。アイスショーでもいいからチラッとじゃなくて本格的にトライして欲しい。パートナーが必要だけど… こ、こづくんか?今だと。

ありがとうございます♪
こんばんは!!

デュブレイユ&ローゾンカッポーの記事、ありがとうございます(о´∀`о)ノ

姐さんの表現にもうっとりです。

あんな素敵なダンスの裏に、こんなストーリーがあったんですね~♪

かつてNHK杯でエキシビションの雨に歌えば、を見てイチコロになった私です♪

それからはフィギュアの試合の度にテレビでの放送を血眼になってチェック!

今はツベで色んな映像見られて嬉しいです(*´∀`)♪

2007年だったかな?
代々木の世選で会場近くを、超プライベートモードで歩いていらっしゃるお二人を見かけ、ぎゃぎゃーん!!(;゜∇゜)

どっちんどっちん(頂きました♪)し過ぎで話しかけられませんでしたが、お二人の素敵な後ろ姿は 今でも目に焼きついています。

マリーねえさんたちのダンスは本当に愛が溢れてますね。

夢の世界…、楽園…、至上の愛…、
今にも溶けて消えてしまいそう…♪

おかげさまで、益々大好きになってしまいました♪

姐さん、ありがとうございます<(_ _*)>
Re: 昔は良かった
ビスケさん、真夜中ですがこんにちは。

コンパルソリー廃止は競技の質を低下させたと思います。チャンや小塚やアボットや今の真央ちゃんもそうですがコンパルを熱心にやる人は明らかに滑りが上質です。

ベルネルも滑りだけでうめぇなあと感動します。復活が嬉しい勇名トラ。

真央ちゃんならアイスダンスでもペアでも転向できますよね。本人、ショーなどでトライしてくれたら嬉しいです。
舞々さんへ
こんにちは、あたしもコンパルソリーダンスが一番好きで、繰り返し繰り返し見てはひとりで騒然となっていました。あれほど選手の力量やコンディションや人格がはっきりわかる競技種目はないですよね。

上質な滑りを身に着けるためにどれほど練習しなければいけないのか、そして本物のうまさを身に着けた人が氷上でどれほど輝くか。

若くて細くて元気いっぱいなうちが華のシングル選手もステキですが、やはり年齢を重ねて毎年どんどんうまくなっている落ち着いたアイスダンサーたちはまさに氷上の華だったと思います。
もちろん今もそうですが、アクロバティックな演技ならペアの皆さんに任せておいて、「滑り」の良さを堪能させてもらいたいなあとつい懐古にふけってしまいます。

ビスケさん
THE ICEでのジェフリー・バトルさんとのコラボを見ていると真央ちゃんはジャンプだけの選手じゃないな、年に一度のことなのにああやって演目として素敵にしあげ、相手との同調性も見せてくれて素晴らしいなと思います。

アイスダンス転向・・・夢ですね(笑)。
そしてその夢が実現したら、すごいですよね。
tone*さんへ
ななな、なんですとー!!!
すごーい!生でお二人を目撃なさったんですね。普段からラヴ!だったなんてきゃー///
いいなあ。
二人が末永く幸せであるように全力で祈っています。

好きなアイスダンサーは他にもたくさんいるんですが、マリーさんとこは特別好きな10組くらい(多い多い!ww)に入っています。素敵カポー☆が多すぎて困ります(笑)。
ばと&まお こづ&まお
アイスダンス転向、良いですね。
うっとり…。

ばと&まおは絶対、毎年見たいですね~(はあと)

こづ&まおで、アイスダンスに転向して平昌に出場して~!
と、妄想中。
(1-1-1、これはマネできまい…。ウヒヒヒヒ)

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